Wednesday, December 18, 2013

Invention (発明)

小さい時から手で物を作るのが好きで、工作の時間が一番好きだった。その次に好きだったのは男子では異例な家庭科(料理と裁縫)だった。自分がイメージしたものが目の前に現れてくる楽しみは独特のものだ。イメージをしている時も楽しいし、作っている時も楽しいし、作ったものを使っている時も楽しい。だから岡本太郎さんの作品を見ているととにかくその気持ちが伝わってきてつい楽しくなる。小学校の時に作った、1x2メートル級の山の風景の版画(小学校のクラスの卒業作品のベースは自分の絵で工作の先生が特別にコピーを一つくれた)や壁掛け飾りは今でも母親の山小屋に飾ってあるし、中学校の時に作った抽象的なスキーヤーのカラー版画、踏み台になる椅子などもまだある。アメリカに来てからは、以前住んでいたアパートのキッチンの形に合わせたカスタムテーブル(引っ越しの時そのまま寄贈)、組み立て式の8人がけの長テーブルなど。最近では、今住んでいる家を、床、壁、キッチン、アイランド、ライト、トイレ、全て自分の好きな素材に入れ替え、壁を打ち抜いたり、窓を広げたりもして、思いっきり改装した時。一番大きく楽しい工作課題だったと思う(でも母親が自分の山小屋を一からイメージ・デザインして作り出した楽しさにはまだかなわないと思うけれど)。来年は手作りでテーマ性をもったクリスマスのイルミネーション(こちらでは12月いっぱいはどこの家も外に市販のイルミネーションを飾る)を作りたいなあと思っている。

ところが一方で数学が好きだけどそれほど得意でなかったこともあり、流れで文系法学部に、そして仕事では、財務、ビジネス、交渉、と言う感じで来て、とても楽しいのだけれど、なにかこの「工作」的なものにかけているなあと思っていた。理系に行ったらどうだったろうと考える時が時々あった。でもアメリカに来て以来、自分の中の固定観念が崩れて来たのか、まず、技術と物作りを学べる、ゲーム業界に入る事が出来、そこで物作りに関われる。あの有名なモンスターハンター(当時は作っている人たちと働くのが面白いというだけでここまで大きくなるとは思っていなかったけれど)の欧米版のクレジットロールにのることも出来た(難しくで最後まで行けないのでクレジットロールを自分で見た事はないけれど)。そしてその後より技術的なものに惹かれて、研究所に移る事が出来、そこで研究員達といろいろな技術についてのビジネス化に関わる事が出来る。そして最近、より工作的なデザイン部門に移る事が出来、そこで、デザイナーやテクノロジストと新しいサービスのデザイン創作に関わる事が出来ている。

毎日が学びであり新しいものの創造(又はイノベーション)なのでとてもやりがいがある。そして最近、自分がデザインに貢献したものが社内の賛同を得て、特許申請することになり、自分の名前も入れてくれるという連絡が来た(申請するだけで認可ではないけれど)。理系の人にとっては特許保持は普通だと思うけれど、父親が数学者・理系で自分も創造が好きなのに、文系に流れてしまったはぐれ物の自分にとっては、とてもシンボリックな出来事だった。これからも、もっともっと工作的なプロジェクトを家でも会社でも立ち上げて行こうと思う。アイデアはたくさんあったほうがいい。たくさんイメージして、いつも一杯のアイデア箱から、その時その時のインスピレーションによって、いろんなものを作って行きたい。そうか、僕の人生は、工作(創造まではいかないが)意欲がベースになったいたのか。今気づいたけれど、今後は、意識的に、工作意欲を鼓舞して行きたい。工作意欲を満たされるならば、今の仕事、サイドビジネス、趣味、いろいろアイデアをひろげなくては。ところで、理系の素質は出来れば自分の子供達に受け継いでもらいたい。

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