Thursday, July 29, 2010

NCKF Summer Camp(北カルフォルニア剣道連盟夏合宿)

7月の第一週には、毎年恒例の北カルフォルニア剣道連盟の夏合宿が、サンタクララで行われる。毎年来て頂ける日本の先生、毎年仕切っていただけるNCKFの方々には本当に感謝。今年も有給休暇を取って金・土・日と全参加。内容は、去年同様基本重視となると思ったので、数週間前から昨年のノートを参考にして、素振り、掛け声、足捌き、姿勢、構え等を復習し、又道場でも、それらに加え「木刀による剣道基本稽古法」「日本剣道形」の復習と指導を行う。毎日先生方へ挨拶に行き、稽古も前列で出来るだけ正しく大きな声で稽古に参加。横にいる小学生の子供達の模範になればと。。。


今年は、去年に比べ、4-6段レベルの参加者が少なく、彼らと一緒に稽古が出来なくて残念。でも、他のたくさんの参加者と一緒に、基本から応用まで、じっくり稽古が出来て大変良かった。又、去年同様、自由稽古の元立ちに40分間立ち続けるのは、大変苦しく、いい経験になった。先生方が、いつもこういう風に苦しい元立ちに立ち続けていることを考えると、日々の稽古でももう少し自分を苦しい立場に置かないとなあと思わされた。

今年も、メニューとしては、素振り、足捌き、木刀による剣道基本稽古法、面をつけての基本稽古、応用技、地稽古、懸かり稽古、切り替えし、ジョギングという感じで、2日目は、日本剣道形の指導と審判講習が行われる。

もちろん今年で14回目となる太田先生が訪問され、陣頭指揮をとっていただく。先生には、本当に健康に気をつけていただき、末永く、日本又世界において正しい剣道の振興に貢献していただきたいと思う。日本剣道形打太刀の演武を見ることができ、稽古もつけていただき幸運。先生相手には、とにかく攻めて打ち込むだけで、かわされ返され打ち落とされヘロヘロにされ、立っているのがやっと。ただ絶対構えは崩さないと決めたのでふらふらになりつつも中段で前へ出続けなんとか2分間。もっと内容ある稽古をしてもらうためにも、基本力として切り替えしと懸かり稽古をもっとやり、崩れない剣道に近づかなきゃと反省。。。

そして去年に引き続き梯先生登場!いつも静かで丁寧な話し口調。でも怒ったら怖いんだろうなあ。。。今年は、基本を重視しつつも、去年よりも応用技について、皆に指導していただく。出ばな技、摺り揚げ技、返し技など。全体指導の際に、なるべく前にでて先生の試験台になることで、より多く技をかけてもらい、その感覚を覚えようとしてみる。特に感動したのが、「出ばな面が得意でない人はこういう風にアプローチしてみてはどうだろうか?」という何気ないアドバイス。これに「おー!そーかなるほど、これはすごい秘訣だ!」と感心しているが回りは「はー?」みたいな反応。通訳の人が略しちゃった感がある。とにかく、これからそのアプローチ要研究。そして、日本剣道形仕太刀の演武を見ることができ、仕太刀の体捌き、抜く方向、あのしぶい全く無駄のない動きは、僕の目指したい剣道。稽古もつけていただく。ボコボコにされました。体当たりも稽古もすごく手加減してもらっているのが伝わってくるのだが、ヘロヘロにされ、2・3度吹っ飛ばされては転び、朦朧としながら、ただ前へ。手もしびれ、足もしびれ、息も出来ず、かなりよたった稽古になってしまいちょっと情けなかった。先生の対応は、全て正しい動きと打突と体当たりで、ただただ自分の地力のなさを身にしみるものだった。これから一年、来年の3分間の稽古において崩れないで攻め続けられるように、頑張っていこうと思う。

又、審判講習では、全米少年剣道大会を視野にいれ、主に有効打突の見極め方を丁寧に実際の試合審判を通して指導していただく。難しい打突が行われた後に必ず試合を一時停止し、「なぜ、今のを取ったのか?」「なぜ、今のを取らなかったのか?」「周りの皆は今のをどう思うか?」と審判員に考えさせ・回答させた後に、先生の見解を述べていただき、それに対して質疑応答という感じだった。やはり、面と小手の取り方が難しく、審判により判断がぶれることがあり、そこを自信をもって取りにいけるように、又は、取らないように、訓練しなくてはいけないと思った。



全員写真。他の皆もいろいろ学べたことだろうと思う。最近少しづつ、小さい時教わったことの本当の意味するところがわかってきた気がする。でもわかっているといって、出来るということではない。ただ、わかってきたので、研究の目途が立つし、仮説を立てて検証していけるし、質問もしていけるので、これからも剣道・居合道研究は、いろいろあって先は長いなあ。健康に気をつけなくては。

Wednesday, July 28, 2010

Tournament Judge(試合審判)

最近、剣道・居合道についてアップしていないものの、何とか週2回を目指してで両方とも練習継続。夏はいろいろイベントがあり、毎回とてもいい勉強に(でも仕事と家族イベントの間でかなり忙しくなる時期でも)。先週末は、全米少年剣道大会に審判員として参加。事前の審判セミナーと当日の審判はとてもいい経験になる。これからももっと審判の訓練をして、選手の為により公平な審判を行い、正しい理合にかなった剣道の振興に貢献できればと思う。

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参加者は9歳以下から18歳まで250人くらい、個人戦と団体戦で、6コート同時に試合が行われる。審判員も朝から夕方までノンストップで1コート6人くらいで回す。試合運営を優先にして、昼食も別々に食べることに。なんとか時間内に全ての試合を終了することが出来る。自分の審判だけではなく、他の審判を見ることで、勉強になることも多くあった。事前に審判規則・細則・要領など全ての書類に目を通して復習していたのがすごく役に立つものの、ケースによってはやはり自分なりのしっかりした判断基準を求められ、地道な稽古及び審判研究・経験が大切だなと思えた。

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全米から剣士が集まってきているが、南カルフォルニアの参加者数及び受賞数がとても多くその実力を充分発揮していた。でも北カルフォルニアも、男子団体と男子16-18歳の部で優勝。又、WKFというチームは、普通の袴ではない韓国バージョン(白地に1本黒の縦ラインが入っているもの)をはいていたけれど、高校生レベルで数人とてもいい剣道をしている選手がいて、チームも強く、しっかりした指導を受けていると思った。是非、いつか稽古をお願いしたい。それとは別に、今大会を通して特に一人、南カルフォルニアの男子高校生選手が試合運びや技の出し方などとても熟練していて、自分としても大変参考になる。あのレベルは、日本でしっかり練習・指導を受け、最近親の駐在とかで渡米したのかなあ。彼とも稽古をお願いしたいもの。
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今回は審判長とかが座っている席のまん前のBコート配属であったこともあり、とにかく気合を入れてやる。でもやはり、子供達の頑張りを汲み取る上でも、客観的に公平に審判したいという気持ちが強かったので、特に気合が入り、夕方にはもうへとへと。ただこれだけ真剣に審判して気づいたことは、

「ポジショニングの大切さ」
「動き・技を予測する大切さ」
「正しい姿勢と動作による威厳の大切さ」
「明確で大きい発声の大切さ」
「特に判断が難しい小手や合い面を、充分見極め、勇気を出して取りに行く又は取らないことの大切さ」
「状況による有効打突の6要素の加減の判断基準の事前設定」だった。

まずそもそも、打突が起こった時に見えなくては、自信をもって判断出来ない。どう言い訳しても、打突時に見えない場所にいたこと自体あってはならない。だから、選手の動きと打突を予測して、その先回りをしなくてはいけない。最速の小手や面を見極めるためには、(今の自分のレベルでは)最高度に視覚の集中度を高めないといけないもののずっとそうやっていたら倒れちゃうので、全体を見つつ、技が予測される時にぐっと集中力を上げ、その後また通常に戻るみたいなメリハリが必要。小手や合い面は、打っている、打たれている選手にはかなり明確なもので、有効打突を取ってもらえない又は無効打突を取られるのは大変くやしい。だからこそ自分の責任でしっかり判断する勇気が選手を勇気付けると思う。あとやはり自信を態度として外面に現すことで、観客及び選手にも信頼感と安心感を与え守りに入らず全力を出していく雰囲気を作り、騒々しい試合場では、大きく明確な発声が試合進行の安定材料になるのを感じた。そして、正しい理合にかなった剣道を振興するためにも、前への技を取りに行き(間合いを詰めて攻め・切り込んでいるので切込みが深くなる)、引き技は少し辛く(間合いが遠ざかりながらの技は切込みが浅くなる)取るが、これは瞬間にその加減を判断しなくてはいけないので、有効であるための加減(深さ・強度・崩し・振りかぶり・踏み込み・間合等)の基準をあらかじめ、攻め技、引き技、返し技、出ばな技など、技の性格により、設定・イメージしておく必要があると思った。これは、今後日本から来ていただける先生に質問・確認したい事項である。又、特に子供達相手の審判では、有効打突6要素の内「正しい竹刀の打突部位で」「正しい防具の打突部を」「刃筋正しく」ができていれば、残りの「充実した気勢」「適正なる姿勢」「残心」はある程度でも有効打突にする。特に、全審判員を通じて、正しい鍔迫り合いを奨励・指導し、必要であれば反則も取りに行くようにしようというコンセンサスがあった。

地元道場で稽古しいろいろな仮説を試してものにしていきつつも、外へ出て見たり体験したりすることで新たな課題が生まれそれが次の目標に。これからも、機会があれば、審判や選手として大会に参加して行こうと思う。そのためにも少し体重を落として身を軽くしなくては。。。

Wednesday, July 21, 2010

I-280(インターステイト280)

ご無沙汰です。いろいろあってはまってました。おまけに、PCがウィルスにやられ修理と日本語環境設定するのに時間がかかりあっという間に数週間。仕事も7月はいろいろ仕込みが必要なためかなり目白押し。集中力を保って一つ一つこなして行きたいと思う。

ところで、現在サンフランシスコからパロアルトまで毎日1時間弱かけて車で通勤しているのだけれど、みんなによく言われるのが、「1時間も車で通勤大変じゃない?」というもの。そう、そもそも運転があんまり好きじゃないので、そうなのだけれど、この通勤に限っては、ぜんぜん苦にならないというか、心からリラックスできる時間だったりする。

自分が使っている高速道路のI-280のサンフランシスコーパロアルト間は、他のルートであるI-101に比べちょっと遠回りでアップダウンがある反面、渋滞がなく本当に風光明媚なルートである。毎朝7時頃、霧がかった朝のサンフランシスコを家の近くのガススタンドでコーヒーを買い出発。軽い渋滞に巻き込まれつつ、サンフランシスコを抜けてI-280にのる。そしてミルブレーあたりから霧を突きぬけ、真っ青な空と深い緑の山に突入。92号線に近づくにつれ、ひろーい谷間が開き、右に湖が広る。湖の向かいの山の峰からは、反対側の太平洋からのぼってくる霧が見え隠れしている。そこから右左の緑の丘をゆったりカーブしながらアップダウンし橋を超え、その内左右の牧場に牛と馬がちらほら。これをずっと、一番右の追い越され斜線でのんびり走る(とはいっても他の車の時速120キロに比べて時速100キロくらいだけれど)。最後に、左側の丘に、でっかいスタンフォード大学研究施設のアンテナを見ながら、高速を降りて、HP本社を通り過ぎオフィスへ到着。帰りはその反対で、きれいな午後や夕焼けを楽しみながらミルブレーあたりまで走って、その向こうから迫ってくる霧と雲の中へ突入していく。霧や雲がない時はちょっと最後に遠回りをして海辺に回り、波や夕日を見ながら走って、最後にゴールデンゲート公園内の森の中を抜けて家に着くというもの。

それでもって、毎朝・毎晩ひろーい地平線や湖や山や空を見ていると、自然と自分や家族が健康に生きていること、衣食住が足りていること、勉強になる仕事をさせてもらっていることなど、幸運だなあ、有り難いなあという気がしてきて、自分はどうすれべもっと貢献できるのだろうかという思考に移り始め、家族にはこうしよう、仕事ではああしよう、という感じになる。そこで、イベント計画や、仕事の段取りや、中期長期的なキャリアについて考えたりする。又そのうち、剣道のことや、居合道のこと、ボランティアのことなんか考えたりしている。これが、追い込まれている時には、「通勤中はじたばたしても何も出来ないんだから、腹くくってゆっくりアイデアでも練るか。」みたいな、クールオフ・休憩時間にもなったりもする。

いろいろ考えて、オフィスの近くに引っ越そうかなあと思っている反面、この無駄なようでとても心地のいい通勤時間をなくすのはもったいない気もする。環境のことを考え、オフィス付近から自転車通勤が一番いいのかもしれないけど。どっちにしろ、今は、毎日の通勤時間をリラックス及びアイデア出しに十分活用していこうと思う。出来れば、もっと早く起きて出勤し、先手先手で仕事をガンガンこなし、剣道・居合道のない日は、帰りがけにサーフィンに行けるぐらいに効率をぐんと上げられるといいんだけれど。。。とにかく頑張って行こうと思う。

Thursday, July 1, 2010

Supporter(応援団)

ふるさとは遠くにありて思うもの。。。

室生犀星の有名な詩。実際のところ、故郷に対する愛憎がミックスした感情の表れなのだろうけれど、自分的には、外にいるからこそ光ってくる故郷の良さ、こみ上げてくる思い、それを感じることのすばらしさと捉えたい。無くして初めてありがたさがわかる健康など、物理的精神的に距離を置くことで自然と湧き上がる全てに対する感謝の念。

だから、ワールドカップも日本の駅前でたくさんの同胞と応援するのもいいけれど、異国の地で少ない人数でも集まって一生懸命応援するのもまた一体感があっていいもの。ということで、今回は一人でオフィスから応援ではなく、サンフランシスコのSOMAにあるギャラリーカフェみたいなところで(5x3メートルくらいの大画面とおいしいコーヒー)、朝7時前から日本人有志が10人くらいあつまって応援団を結成それに参加。150人くらい余裕で入る場所で他の国の人もいたし、応援のための場所なので、思いっきり大声で応援できて、なんかこうすっきりした。まあ日頃剣道で大声出しているけれど、ああいう場面でみんなでわいわいやるのも健康にいいに違いない。

日本チーム残念!でもしっかり計画通り硬い守りを通してPKまで持っていく、しかもW杯を通して素早く粘り強いパスやフォローなど組織力が光った戦い方は、日本ならではの、しぶさ、気高さがあったのでは。泥臭さのなかに光る気高さみたいな。選手にとっては、残念な反面、すがすがしく、空はかなり高く感じられたのではないだろうか。

さてやる気をもらったからには、こっちも頑張らなくてはね。欧州・全米だけではなく、ここ西海岸でも、経済の先行きが見えなく、雇用の流動性(ボラティリティ)が高くなり始めている気がする(産業ニュースでは、毎日のように経済回復論者と経済後退論者の間で議論が白熱している。。。)。全力を尽くしつつ、いろいろ準備もして、真っ直ぐ前を見て進むしかないかな。