Saturday, December 27, 2008

Economic Climate (経済の行方)

最近、食べ物ばかりだったので、仕事のことも。。。最近忙しくて、皆とサーフィン行ってないなあ。

ご存知のように今年7月に始まり、10月(?)にリーマンブラザーズ倒産で火がついた、世界同時金融危機。それに派生して、クライスラー・GM・フォードが倒産間際という状況のなか、世界同時不況がすぐそこまで迫っているようである。このような経済見通し不透明な中、北米では雇用調整(レイオフ=首切り)が始まっている。

本当にやばいのは、四半期かつ4-3月決算の日本と違い、半期かつ1-12月決算の欧米企業の数字が明るみに出る1月後半から2月半ば頃かもしれない。この頃には、欧米企業の損失状態が明るみになる。時価会計による差損(株式、不動産)、急激な為替変動による為替差損、需要収縮による売上げ減、これらが、雇用調整を推し進め、信用収縮(お金が借りられない)が個人まで広がる。すでにシティーバンクの個人向けクレジットカード金利が通常の7%くらいを16%くらいまで一方的に引きあげたられのがアメリカで話題になっている(つまり個人が気軽に買い物が出来なくなる)。

グローバルでビジネスをしている今の会社は、特に新興地域(アジア・中国・中近東)で成長していたようだ。これらの地域は、アメリカにものを輸出することで儲け、それが個人消費に還元されていた(つまり当社商品・サービスを購入してくれた)。

アメリカにいると、「なんでこの人たち、クレジットで借金しまくってまで、こんなにたくさんもの買うんだろう?」と思う場面に出くわす。日本人だからなのか、「借りたものは返す」という前提に立つと借金にたいするいくらかのプレッシャーを感じ、買いまくれない。しかし、アメリカでは、もうテレビから雑誌からじゃんじゃか「借金してください、簡単ですよ」のメッセージがあふれ、人々も旺盛な物欲を借金で満たしている。結局これが、最近の世界経済を引っ張ってきたんだなあと思ったりする。その購買欲が、スローダウンしてきている。感謝祭とクリスマスで垣間見た、デパートによる値引き合戦はすさまじいものだった。在庫を吐いて、キャッシュフローは改善されるが(倒産しないためにはこれ一番重要)、結局利益率の低下による経営内容の悪化は避けられらないだろう。昨日行ったショッピングモールでは、全米で展開しているデパートの「Mervin's」が店じまいセール。売り場の棚まで売っていた光景は結構異様だった。

このような状況で、アメリカの購買力減速の影響が世界に反映しそれが自分のいる企業に跳ね返ってくるのは、3月末(end of 1st quarter)と6月末(end of 2nd quarter)の経営陣による経営内容のレビュー時だと思う。そこでさらなる雇用調整が起こると自分は見ている。

すでに組織改変と雇用調整のミックスしたもの(大幅な組織変更と数百人規模でのレイオフ)が発表され先手を打とうとしている当社の経営陣は手堅いと思う。しかし、こういう構造不況を実感として理解して、そのためにはビジネスに直結する価値創造、またコスト感覚を鋭くしたオペレーション施行等を即実行しなくては、チームとしても個人としても死活問題(つまり、雇用調整が加速した時、自分のしていることは会社の戦略に合致しているか、している場合他に比べてパフォーマンスをだしているか、が生き残りの指標)だと考えている人はまだ自分のいるオフィスには少ないようである。16人いる自分のチーム(技術者・サポート・営業)では、プロセス化・オートメーション化・チーム個人目標設定最適化・成果物の明確化等を過去2年間やってきた。回りの環境が当初予定より加速度化しているので、先週やった個人の成績考課面談の際に、僕なりの状況把握、対応策、スケジュールを説明してみた。少数ではあるがこの状況で文句しか言えない人がいたが、もうそういう人たちを甘やかしている時間も余裕もないので、やる気と成果のみを評価軸として、全速前進しかないだろうなと考えさせられた面談だった。

中期的に自分のポジションにも手を打って発展させていかなくてはいけないけれど(戦略にフィットした新たな技術プラットフォームをマネージするか、専門のビジネス開発であたらなポジションを探すかなど)、まずは2009年に入り次第、今のチームをより大きなチームに移行し、それぞれ価値を創造できるポジションへ着陸させる手筈を整えなくてはいけない。次に、より大きなチーム全体でのコストダウン・能率アップを提案・実現していく必要がある。ということで、2009年はかなり激動かなと思う。オフィス内の政治にもアンテナを張って、チーム・個人で価値を出し、またそれをアピールしていく。年末ゆっくり休んで、本を読んでエネルギーを充電し、提案・プロジェクト計画を練り込み、1月から走るという感じか。

なるようになるだろうと思うけれど、出来る限りのことをして、慌てず状況を冷静に見据えて行きたいと思う。このような時こそ、剣道・居合道・呼吸の練習を通して、心身の鍛錬とリラックスを維持していけたらなあと思う。

ところで、日本も不況突入を前に大変になると思う。だけど今のマスコミの騒ぎ方(オンラインでいろいろ新聞やTVの動向を見る限り)を見ると、もう少し日本以外の国(アメリカ、中国、韓国、インド、アジア、ヨーロッパ)の現地で感じられる現状(バブル崩壊度がすごくかなりやぱい状況。。。)を正確に国民に伝え、日本の消極面だけでなく、積極面もバランス良く伝えていったほうが建設的なような気がする。ネガティブな人を引っ張っていくの本当に大変だもの(エネルギー吸い取られるし)。。。

唯一、この難しい時期に起こるポジティブな面は(自分が雇用されていなくては元も子もないが。。。)、2001年のITバブル崩壊時と同じく、人々の移動が始まる。つまり、価格が高いベイエリアから人が引越し始める。そうすると、個人間での中古品市場・情報提供がいきわたっているベイエリアでは(クレイグズリスト:http://sfbay.craigslist.org/)、お得な中古品(新品同様だったりする)が出始める。これから数ヶ月、クレイグズリストももりあがるんだろう。チェックしなくては。

アメリカ・シリコンバレーからの感想でした。

2 comments:

Unknown said...

トヨタを始め多くの企業が派遣社員の首切りを実施して、今まで寮に住んでいた人が
寝る所、食べる事に困っている。夕べから何も食べていないと、、各市町村で住まい、職を手当てしているところもあるけれど、、、  そんな状況の中、外国から出稼ぎの人達はもっと大変。
最近、コンビニ強盗、現金引き出し機を壊して現金泥棒、タクシー強盗は殺されてしまった。  振り込め詐欺も要注意だけれど、360度用心して、巻き込まれないようにしようと思っている。戸締りも厳重に。

Anonymous said...

トヨタも昔は大野耐一さんの改善運動で人を増やさないで効率化・在庫を極限に減らしていくことで景気拡大と後退の雇用へのインパクトを減らしていたようだけど最近やっていないとも聞いている。しかし欧州とか中国とかはもっとすごく、スペインとかは、出稼ぎ労働者に国がお金を支給して祖国に戻ってもらっているらしい。中国は地方からの出稼ぎ労働者を地元へ強制送還し沿岸都市(上海とか)のスラム化を防ごうとしているらしい。中国の場合、地方はその生活レベルが1/10以下で生きるか死ぬかのレベル。日本もまずは食料確保(輸入及び農業振興)をして、昔のようにコミュニティー(地元)で安全を確保していくようになると思う。