Wednesday, September 2, 2009

Japan won World Kendo Chamipionship!(日本チーム世界剣道選手権制覇おめでとうございます!)

もっとサンフランシスコのおいしいレストラン、旅行、社会ネタとかについて書きたいなあと思いつつ、最近の仕事変更・ミニ君登場でちょっと余裕がなくなり、ネタが偏っちゃっているかもしれないなぁ。でも日本にいる家族や友達に僕らが元気にやってるのが伝わればいいかもね。

今回ちょっと長いです。「Atsu話長いよ!」といつもお叱りを受けてますが、今回はあえて。。。

そうです!日本チームが世界剣道選手権で男子女子共々個人・団体で優勝しました!おめでとうございます!海外で剣道をしている一日本人剣士として、20人の選手の方々、監督・コーチの方々、もうそれはたくさんの方々の努力に本当に心からのおめでとうとありがとうのメッセージを送りたいです。特に男子個人・団体優勝の寺本選手本当に本当にお疲れ様でした。僕にとってはこれはワールドベースボールクラッシックやオリンピック以上にうれしいこと。TwitterとYutubeの前で祈っていました!イチローのさよなら打くらいのインパクトです。

剣道をやっていない人には、あまりピンとこないかもしれないけれど、剣道をやって、そして特に海外でやっている人にはこれはとても大きな意味がある(と僕は思う)。ちょっとややこしいけれど、自分の頭の整理のためにもここに書こうと。。。完全に個人的意見なのであしからず。。。

*剣道の目的は、昔から脈打っている剣の技(竹刀剣道、日本剣道形、居合、古流の形)の鍛錬を通して、日常・非常時にも通用する(これが大事)、身体力、精神力、人格・人間性を高めていくことである。
*剣道において、竹刀を使った試合は技の進捗度を見るうえで利用するツールであるが目的ではない。試合重視の剣の理合を無視した動きでは、上記の目的を達成することは出来ない。

「人格向上?何それ、アハハ?」と笑われるかもしれないけれど最近本気で僕はそう信じている。自分が高校生や大学生の時にこのお題目を聞いてもピンとこなかったけれども、今社会に出て、また、日本人として外国で仕事をして生きていく時に本当にそう思う。「静の禅」に対して「動の剣」。特に刀剣を使って殺傷する必要のない時代にあり、剣道は武道としてこそ真価が出て、そして今後も魅力を放っていくのだと思う。これがスポーツになった時点でスポーツとして人気が出ようともその真価を失った剣道は魅力を失い長い目で見れば衰退していくのかなと。

例えば、竹刀を剣とみなして鍛錬する場合、間合の大切さ、胆力の大切さ、精神力の大切さ、眼力、などすべて切りあう前、スピード・筋力を超越した能力を養うことが目的。そうだよね、考えずに飛び込んだら、やられちゃうもんね。そしてこれらの能力は、日々の生活で社会に貢献するのに直接役に立つ資質だと思う。これが、試合の為の剣道になると、上の全てを無視して、体力の続く限り、スピードを鍛えていくようになり、主に身体力能力と反射神経の強化のみが見込まれるのかな。

日本人剣士は多かれ少なかれ、理にかなった剣道(竹刀を剣とみなした竹刀と体の動き)と試合の為の剣道(刃筋や体勢を無視した竹刀を部位当てるための効率的な竹刀と体の動き)の間で揺れ動きながら折り合いをつけて修練を積み重ねていると思う。試合で勝たなくてはいけない、だが竹刀の横で打つような平打ちや、体勢を崩す打ちは、剣の理合にそぐわないので、よしとしないし有効打突としない。ルールでもこれを規定しているけれど、主観的要素が入る難しい審判では、国内外でこれをとってしまうことが多々ある。特に海外での試合では、その傾向があるかも。うん、審判それも審判をする有段者・高段者の審判に対する理解と能力が問題かもね(もちろん自分も含めて。。。)。

そこで世界剣道選手権の話に戻ると、昨今、日本から指導者を招いて鍛錬している外国チームの実力が上がって行く中、前回の13回大会で、日本男子チームは、準決勝で米国男子チームに負けてしまい、12連勝がストップ。結局、試合に強くなってきている韓国チームが優勝。当時の試合は見ていないけれど、試合に勝つための最適の方法で来る韓国や米国に対して、理合に合った剣道と試合の為の剣道の間での迷いがある日本、審判の理解と能力、日本の外国チームに対しての研究不足などが総合して起こったことだと思う。試合の結果は結果でありいいのだけれど、僕の心配は以下のものだった。

*剣道・日本刀の起源は自国にあると主張し国際的にもその認識を広げようとしている国があり世界剣道選手権は良い宣伝の場。
*上記にあげた様に剣道がスポーツ(試合の為の剣道)になるのを避ける為に辞退していたオリンピックであったが、ある国の「じゃあ我々の剣道バージョンを我々の世界に広めるよ」に対応するために剣道としてオリンピックに参加表明することになる。
*世界剣道選手権で勝つ国には、模範として、結局は剣道を衰退させる剣の理合を無視した試合の為の剣道ではなく、理合に合った剣道を振興していってもらいたい。

まあ、「日本国内で勝手に理合でも何でも合った剣道やればいいじゃん」とか「剣道は日本だけのものではないので海外の意見も取り入れなくちゃいけない」なんていう人もいるかもしれないが(どっかの日本人政治家の「日本領土は日本ためだけのものではない」というような意味不明な発言に似ているが。。。)、僕は「剣道の真価を維持・振興する責任は、その真価を知っている者にある」と思うので、今その責任は日本チームにあるのかなと。日本チームでなくてもいいけどね。日本チームを唸らせるような剣道をやる他国チームがいれば、日本チームは脱帽するし、感動し、尊敬もすると思う。僕はする。出来れば、剣道だけではなく、言動・礼も含めて、人間として存在感を見せてほしいけど。。。

今回の決勝・準決勝戦をYoutubeで見たけれど、準決勝での相手チームは、間合いを絶対切ろうとしないで近間でごちゃごちゃやろうとする。打ちの全ては、引き技か近間で当てに行く。日本チームは、間合いを切って勝負したいにもかかわらず、気を抜かないで、隙を与えず、粘り強く相手に合わせて、防御し捌いていた。もちろん、構えもしない近間でのごちゃごちゃは、反則ではないし、試合で勝つための方法論・戦略としては、なるほどと思える。しかし、剣の理合に合っているかと言えば、あんなところで勝負はできないだろうし、やっぱり、遠間からの切る前の攻め合いの結果として近間があるので、剣の理合を切磋琢磨する為の試合ならば、ああいう試合内容にはならないと思う。決勝戦は、攻め合いがあったのに比べて、準決勝戦は、こういう理合からみてレベルの低い試合を、やりにくそうに、でも自国と剣道のために根気強く対応して頑張っている一人一人の日本人選手にはお疲れ様と言いたい気持ちだった。

これからも、外国チームは強くなるし、審判の問題もすぐには解決されないと思う。だからこそ、日本チームが試合でも勝ちそして理合に合った剣道もする責任があると思う。その難しい責任は尊敬として必ず返ってくると思う。ただ、こんなこと言っている僕も日本チームくらい強くて試合にも勝てると、僕の言っていることももう少しこっちで説得力でると思うんだけど。。。はい解ってます、今から稽古行きます。。。

ということで今日はかなり右よりなコメントでした。。。

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